第2章

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   寄せられた伊達先生の眉がぴくり、と不機嫌そうに動く。  口ごたえをするのも躊躇われて、コクンと頷いた。  いつになく小さな動作になっているのを自覚しながら、カサカサと手紙の封を切って開く。  本当に、他人宛てだったらどうするんだろう。 「……あ」  開いて、自分の杞憂が間違いだったことに気付く。 「どうしたんです?」 「や、あの」  どうしたらいいか判らなくて、1行目だけで手紙を伊達先生の胸元に押し付けてしまった。 「飛鳥さん」 「無理、読めない」  うつむいたあたしの態度で何かを察したのか、伊達先生は大きく深い溜め息をつく。 .
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