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「だからと言って、僕に押し付けないで下さい。何が書いてあったのか知りませんが」
「う、うそ」
「嘘はつきませんよ。だから、そういう言い方はやめて下さい」
「だって、先生……」
「僕のこれまでの人生で見てきたパターンから、想像しただけです」
困ったような顔をして、伊達先生は手紙を握っているあたしの手首をそっと掴んだ。
「きみが受け取ってしまったんだから、きみが読みなさい」
「受け取ったわけじゃ」
「本を読んでる隙を突かれたんでしょう。同じことですよ」
「むり……」
首筋がなぜか冷たい。
それが強い不安のせいだと何となく判ったものの、片付け方が判らなくて、あたしは先生に縋るしかなかった。
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