第2章

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   手紙の冒頭は、いきなり“前から気になってました。付き合って下さい”だった。  あと2・3行何かあったとは思うけど、頭が視界に入れるのを拒否してしまった。  だって、あたしは伊達先生が好きなのに。  他の人にこんなこと言われたって、困る。  しばらくそのまま硬直していると、伊達先生がやれやれと溜め息をついた。 「……ひとつ、貸しですよ」  重たいものを引きずるような声でそう言うと、伊達先生はあたしの手の中の手紙をそっと引き抜く。 「いいんですか? 本当に」 「ごめんなさ……お願い、します」 「気が進まないの、判ってくださいね」 「はい……」 .
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