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思わず丁寧に応じてしまう。
かさりと軽い音がして、伊達先生が手紙を開いたのが判った。
少しして、伊達先生は鼻先で息をつく。
「……よく図書室で本を読んでいるきみが、
気になるそうです。
付き合ってくれと書いてありますが」
「でき……できま、せん」
「それは、この手紙の差し出し主に言ってくれますか。それと」
伊達先生の指が、そっとあたしの顎に添えられる。
「どうして彼と、付き合えないんです?」
そのままクイ……と視線ごと持ち上げられて、逆らえないあたしは伊達先生の顔を真っ直ぐ見ることになった。
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