第2章

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  「違いない」  言いながら、一瞬動きが止まった。  また、くつくつと肩を震わせる。  何がツボにハマッたのか判らないけど、この人がこうして笑い出すとしばらく止まらない。 「まあ、普通に商社で働いているサラリーマンなら、まずやらないでしょうね」 「……」  何を、と問い詰めてみたかったけど、判らないならもう一度、とか言われそうで怖くなる。  これ以上、社会人の矜持をバラバラにして欲しくない。  とはいえ、立てなくなるくらいにされた後ではもう何でも同じ気がするけど。  申し訳程度にかけられた白衣を、肩まで引き上げる。 「先生」 「何でしょう」 「いつも、こんなことしてるの」 「まさか」 .
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