第2章

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   伊達先生はにっこりと微笑むと。  持っていた手紙をぐしゃりと握り潰す。 「伝えて、下さい。  きみが何を思ってこの手紙の  彼とは付き合えないと思ったのか。  きみ自身の言葉で、僕に」 「……っ!」  大人げない。  大人のくせに……すごく、大人げない。  口唇を噛みしめながら、伊達先生の目を見つめ返す。  負けてなるものか、という思いを込めて。  ……なんで負けたらだめだとか思ったのかは、判んないけど。 「あたしには、先生がいる。  先生がいるし、先生がいいのに、  他の人にそんなこと  言われても困るし、迷惑なだけなの」 .
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