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耳の後ろで、伊達先生が浅く溜め息をつく。
その温度で、なんか、判ってしまった。
抱きしめるの“抱く”じゃない。
この人は教職のくせに、なんかもっとすごいことを望んでる。
「え、ええ……!?」
「犯罪ですか、やっぱり」
「え、いや、あの、その……」
「でも、僕はきみが何歳でも気にしてません」
「いや、気にしようよ……!」
伊達先生の腕の中で、どうしたらいいか判らなくてじたばたする。
彼は、少し腕の力を緩めてあたしの顔を覗き込んだ。
その瞳が熱く潤んでるような気がして、ドキリとする。
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