第2章

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  ゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚  ──くらくらと、眩暈がする。  先生の研究室から逃げて、研究所を出て。  それ以上逃げる場所なんてないあたしは、とぼとぼと出社するしかなかった。  本当は自分の部屋に戻って、ベッドに潜り込んでしまいたい。  だけど、すっかり大人になってしまったことが、今日だけは情けなくて仕方がなかった。  大幅遅刻で、てっきり怒られるものだと思ってたけど、何をどうしたのか長江さんと部長は穏やかな様子で仕事をしていた。 「おはよう、お疲れ様」 「お、はようございます……」  一瞬置いて怒られるのかと思った。  けど部長はいつも通りの顔で「タイムカード、もう押してあるから」と言う。 .
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