第2章

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  「ねえ。ひょっとして、伊達さんの話が長かったんでしょう」 「え?」  何をどう言い訳をしようか、そもそも言い訳を始めていいものか判らずデスクにつくと、長江さんが眉根を寄せた。 「伊達さんの前任の方がね、いったんご自身の研究の解説を始めると長くて。伊達さんに代わってからはそんなことなかったんだけど」 「はあ……」 「でもね。前田さん若いから、伊達さんも話しやすいんじゃないかと思って。語り出すと長そうじゃないって、さっき部長と」  ……いえ、全然そんなことは。  昔から、先生の話は簡潔だと思う。  こっちが興味ないことは話さないし。  どっちかって言うと、自分が喋るよりも相手から話を聞き出したいタイプなんだと思う。 .
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