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数学教官室でも、よくあんな顔してたな。
何を考えていたのか、最後まで判らなかったけど。
「あの」
「うん?」
先生は意を決したように、顔を上げた。
ばちりと目が合う。
きょとんと先生の顔を見つめ返すと、彼は一瞬困ったような顔をして、すいと視線をそらしてしまった。
「なに?」
「……いえ」
「なに。言ってよ」
頭の中が、すっかり高校生の頃に戻ってしまっているのを感じながら、コクンとコーヒーを飲み下す。
少し迷ってから、先生の視線はおずおずと戻ってきた。
「……飛鳥さんは、この5年、
誰かとお付き合いしなかったんですか」
「ぶっ」
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