第2章

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   マグカップを両手で持ちながら、ぽかんと先生を見つめた。 「別れたあとどうしたかなんて、先生には関係ないでしょ?」 「今朝までは、そう思ってました。でも、今はもう違う」 「どうして」 「それこそ、普通訊きますか。ついさっき、僕はきみを抱いたんですよ」 「……」 「しかも、自分の城とはいえ、職場で」 「そ、そんなの」 「強引に迫ったのは僕ですが。許したのは、きみではないんですか」 「だって……」  電気ストーブから放たれる熱気が、頬にチクチク刺さる気がする。  電熱部分のオレンジ色が眩しい。  あったかすぎて、火照ってしまいそうだ。 .
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