【夏を知らない】

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  「行きたい。先生とだったら、苦手だけど夜更かしできそう」 「飛鳥さんは10時半にはぐっすりですからね」 「小学生みたい、とか言うんでしょ」 「いいえ。でも、僕となら夜更かしできそうというのは……」  先生は何か考えてから、あたしの顔を見る。  そして、ふいっと視線をそらした。 「いいですね。悪くない」 「……今、何か変なこと考えてなかった?」 「いいえ?」 「ホントかなぁ」  やわらかな秋と、寒い冬と、うららかで浅い春。  3つの季節を、先生と過ごした。  あたしと先生は、夏を知らない。 .
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