【彼女は逃走不能】

10/38
前へ
/38ページ
次へ
  「せっかくですが、  あとでいただけますか。  僕、まずは飛鳥さんを  口説き落さないといけないので」 「へ……」  ガコン、と。  芹香の手からジンジャーエールのボトルが転がり落ちて、あたしの膝にことんと当たる。 「せっ、せせせせせ先生!?」  慌てて立ち上がると、先生は退屈そうな目でのろ……とあたしを見た。  その向こうの芹香が、目を丸くしてあたしと先生をきょろきょろと見比べる。 「何ですか? あなたの親友でしょう。別に、いいじゃないですか」 「へ? 何? 再会した途端すんごいスイッチ入っちゃったの?」 「いえ、僕と彼女は5年前にい「わー! わー! わーわーわー!!」 .
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

239人が本棚に入れています
本棚に追加