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「……飛鳥さんの携帯が鳴り出して、これでも肝を冷やしたんですよ。実は」
「……?」
「あなたに、男の人がいたら
どうしようかと。
その時、思いました。
そういう相手からの電話だったら、
どうしようかと」
今にも弾けてしまいそうなほど、切なく張り詰めた先生の声。
彼のそんな声を聴くのは初めてで、思わずぶるりと身震いした。
「電話をしてきたのが、毛利さんでなければどうしていたんでしょう。自分でも、判りません」
「部屋まで来るなんて強引なことしといて、何を……」
「そうなんですが。男心というのは、時に女性のそれより厄介なんです」
「……」
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