【彼女は逃走不能】

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   少しずつあらわにされる肌を先生の指と口唇が滑り、大きな手で胸のふくらみをがしりと掴まれて、その荒々しさに背中がしなる。  ──と。 「──……っ」  呼吸さえ乱していた先生の動きが、そこではたと止まった。 「……?」  どうしたのかと、天井を見上げたまま瞬きをする。  その時、胸元にぱた、と熱い何かが滴った。 「せん、せい……?」 「……ごめんなさい」 「え……」  先生は、あたしの胸に顔を埋めたまま、震えていた。 .
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