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……よこしまなのは、あたしの方だ。
口で言うほど、もう先生に他に女の人がいたことなんて気にしてないくせに。
先生を問い詰めることさえできずに逃げ出したくせに、追ってくれなかったことだけ責めて。
なのに触れられて、簡単に陥落して。
それさえ先生のせいにしようとして──。
心の奥で、かさかさに乾いた何かが剥がれ落ちていくような気がした。
「先生、待って」
それ以上言葉なんて出てこなくて、彼の腕を掴んだまま、ただ首を横に振る。
「ど、どうしたらいいか、判んないの」
「飛鳥さん」
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