239人が本棚に入れています
本棚に追加
「僕の全部を、思いのままにしてしまうんですよ。……あなたは」
「そんなこと、できなかったよ」
「男と女ですから。時には、間違いもありますよ」
「また、そうやって曖昧にする……」
「数値で計れるものなら、
あなたにも同じことをしたい。
僕がどれだけ、乱されて
溺れているか──あなたにも、判るように」
「せんせ……」
そんなこと、言うけど。
先生にだって、あたしの気持ちは判らないでしょ。
こうして甘やかにささやかれるだけで全部許してしまう、あたしの弱さなんて──。
.
最初のコメントを投稿しよう!