【彼女は逃走不能】

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  「まあいいや。あとで罰金込みで弁償する」  誰に言うでもなくつぶやき、残りをゴクゴクと飲み続けていると、玄関の鍵が開く音がした。 「……!?」  さっそくおいたがばれてしまうのかと、缶に口を付けたまま振り返る。 「あ、帰ってんのー?  飛鳥? 菜月ー?」  バタバタと軽く駆けてくるような足音を立てて帰って来たのは、件の芹香本人らしい。  怒られることを覚悟で、彼女がリビングまでやってくるのをその体勢で待った。 「ちょっとさー」  軽く息を切らしながら、芹香がやってきた。 .
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