【彼女は逃走不能】

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   彼女はあたしの体勢と、手に持っている缶を見(目線が明らかに動いていた)、目を丸くして一瞬絶句する。 「……それ、あたしの」 「ごめん」  マシンガンのように文句を浴びせられる前に、先に肩をすくめて謝った。  ──と。  芹香は困ったように振り返る。 「ごめんなさい、今お行儀悪いことになってる」 「いえ、構いませんよ」 「──~~~!?」  のそり、と足音も立てずにリビングを覗き込んできたのは、紛れもなく伊達先生だった。 .
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