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……そうだ。
一時期のこととはいえ、先生はあたし以外にも“先生”だったんだ。
「飛鳥、先生と仕事で会ったんなら、話してくれればよかったのに。ホントびっくり」
「僕も、一瞬出ていいものか迷ったんですが。毛利さんの名前は覚えていたので」
「そそ、先生が覚えててくれて嬉しかったー! だから思わず強引に連れてきちゃった」
のろり、と顔を上げると芹香は女子高生の頃みたいにはしゃいでいた。
今にも飛び跳ねてキャッキャし始めそうな親友が恨めしく思えてくる。
人の気も知らないで、と。
だけどそんなのあたしの勝手な都合でしかなくて、溜め息が漏れた。
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