第3章

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   何ヶ月かはそんな日々になるのかと思うと、頭が痛くなる。  面倒臭いのはごめんだ。  今日何度目か判らない溜め息が漏れる。  話はもう決まったようなものだが、やはり先に面談はしておきたいと連絡があって、やってきた。  最初くらいは静かに学校を回らせて欲しいと頼んだ甲斐はあっただろうか。  陽が傾き始めた校内に生徒の気配はあまり感じられなかった。  日陰から、リリリ……と鈴虫の羽音が聴こえる。  落ちる影の暗さで、もう夜が訪れたと勘違いしているらしい。  涼やかなその音に、ささくれ立った心が少し凪いだ。  ガキにあまり構われないように過ごすには、どうしたらいいだろうか。  あまり労力を使うことはしたくない。 .
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