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快く迎えてくれた校長は人の善さが丸出しで、博士課程の途中で申し訳ないと会話の中で何度言われたか判らない。
空いている日は大学に戻ってゆっくり研究を進めて下さいと言われた。
ありがとうございますと笑顔を返しながらも、「そういうわけにいくかよ……」と心の中の疲労と諦めが溜め息をついた。
24を過ぎたあたりから、少しずつではあるが確実に心が疲弊していくのを感じるようになった。
これが老いの始まりかとショックを受けつつ、そうそう心が折れることもなくなってきて、生の矛盾をまざまざと感じる。
わずかな若さと疲労と諦めと引き換えにした分だけ、処世術がきっちりと身についていた。
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