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今時、友達のためにそこまで怒ることのできる女の子がいたのか──という感動があったからだ。
教師達に見つかり、止められた時にそれを言ってしまえば、簡単に両成敗という形で収まったんだろう。
だが前田さんは、騒ぎの原因が毛利さんの耳に入ることを恐れて、ただただ黙るしかなかった。
激情に駆られて手を上げたくせに、そんなところは冷静で。
実に不安定な、前田飛鳥という少女。
──俺の中に、妙な庇護欲が芽生えても、仕方なかった。
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