【Side 伊達:その名は毒殺】

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  ゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚  決定的な変化が起きたのは、その日の夜だった。  20代の半ばになり、これ以上自分の人生に予想外なことはさほど起きないだろう、と無意識に考えていたことを意識させられた、というか。  付き合っている女と、先のことを考えていたわけではなかった。  だが、学生時代の延長のままではいられないことは俺もうっすらと理解していて──答えを迫られることは時間の問題だろうとは、判っていたんだ。  それが頭を過ぎった時、今一緒にいる女はずっと一緒に歩いて行ける相手なのかと、どうしても考える。  だから、俺は彼女のことを突き放して見ようとしていたのかも知れない。 .
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