【Side 伊達:その名は毒殺】

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   今日は昼過ぎから少し雨が降った。  朝から天気予報で言っていたから、傘を持ち歩く人は多かったと思う。  彼女曰く、傘の取っ手ではなく真ん中あたりを握りしめ、そのまま街中を悠々と歩くサラリーマンに腹が立ったらしい。  確かに、そんな持ち方をしていてはいつ前後の人に傘の先をぶつけてしまうか判らないから、危なすぎる。  その注意力や想像力がないことに憤る気持ちは判る。 「どうしてわざとぶつかる必要があったの?」 「だって、知らない人にいきなり注意なんてできないし。実際人の身体に当たったら、さすがにこれ危ないって気付くでしょ?」 .
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