【Side 伊達:その名は毒殺】

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   冷めたとか、嫌いになったわけではないと思う。  だが、真綿で首を絞めるように、彼女と過ごす時間ずっと苦い毒が身体に回っていくのが判る。  彼女の正直なところが一番の魅力だと思っていたはずなのに、それがつらいと感じるだなんて、どうかしている。  思ったことをそのまま口にする彼女が、俺を信頼しきっているのは判っているのに。  ちゃんと相手を選んでそうしていることも。  それなのに。  俺の頭の中には、親友の心を案じ、黙って悪者にされかけていた女子高生の姿が焼き付いていた。 .
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