262人が本棚に入れています
本棚に追加
゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚
「先生、やばくねえか」
授業を終え、廊下に出た俺を真田がそっと追いかけてきた。
今日は別に提出するプリントもノートもないのにと思いつつ応じると、昇降口に差し掛かったところで彼は能面のような顔で続ける。
「あんたが前田のこと気に入ってんのは判るけど、さすがに露骨」
「……」
ヒヤリと背筋が凍った気がした。
「……僕、何かしましたか」
「別に何も。今日気付いたのは
俺くらいだとは思うけど。
とりあえず、前田のつむじ見すぎ」
「……」
なんだと……。
「俺、数学で時間与えられてテキストやるとか、すぐ終わっちまうから暇でさ。教室ぐるぐる見るのが癖っつうか」
「……気を付けます」
「あ、ヘコんでる。マジだ」
.
最初のコメントを投稿しよう!