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視線をそらした俺を見て、真田は驚いたように目を見開いた。
この少年を煙に巻くのは容易ではない気がする。
あれやこれや付け足した分だけ、見透かされそうな。
答えに困っていると廊下が騒がしくなり、俺と真田はそっと隅に寄った。
「……そういうんじゃないんですよ、まだ」
「まだ……って。ええっ、正直に喋ってくれんのかよ」
「きみの弱みだけ知ってるというのも、フェアじゃないと思いますから」
「へー、大人のくせに律儀な男だな」
ニヤニヤと笑い出すようなこともなく、真田はフーン、と相槌を打つ。
こんな落ち着いた態度の高校生、自分が高校生の時にはいたっけとぼんやり考えた。
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