【Side 伊達:その名は毒殺】

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  「……ま、判るけどね。前田、マジでいい奴だし。すげえ判る」 「上杉さんの友達だからでしょう」 「それもあるけど、性悪だったら上杉の近くにいさせてねえ」 「怖いことを言いますね」 「上杉、鈍いけど素直なんだ。それなのに、友達にヘンなこと吹き込まれたら困るだろ。悪いことってのはだいたい友達から教わるもんだし」 「違いない」  自分の半生を軽く振り返っただけでも、その言葉に納得するしかない。  酒や煙草は間違いなくそのルートだったからだ。 「てか、そうじゃなくて先生の話。俺ら、ガキだけど案外バカじゃないよ。先公同士がデキてるのとか、けっこう勘づくし」 「そうなんですか」 .
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