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真田と話してから、ぼんやりしていたものが急に輪郭を持ち始めたような気がした。
参ったな、と思う。
彼にも言った通り、フェアじゃないと思ったから──というのもあるが、真田とは波長が合う気がする。
そのせいで、妙にスルスルと素直な気持ちから言葉が出てきてしまった。
そういえば高校生の時、やたら相性のいい教師がいたな、ということを思い出す。
逆の立場で同じことを味わうとは、夢にも思っていなかった。
そうして今日のことを思い返しながら、コートの前を合わせて昇降口を抜ける。
──と、目の端に人影が映り、思わず足を止めた。
「どうしました?」
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