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──なんだろう。
疲れたな。ひどく。
『はー。やっぱり樹以上に理解してくれる人って、いないよ。すっきりした！』
「それは何より」
自然と漏れた愛想笑いに思いの外温度が感じられなくて、自分でそれに気付きヒヤリとする。
失態というのは、自分で気付いた瞬間には取り返しのつかないもの──だと思っていたのだが。
『優しいよねー、ホント！』
彼女は少しも、機嫌も温度も損なわずに楽しそうに「話し疲れた」と笑った。
俺の些細な疲労は気付かれずに、不和を産むこともなく、よかったと心から安堵する。
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