【Side 伊達:その名は毒殺】

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   反面、自分の中の何かが少しずつ輪郭を失い、壊れていく光景が見えた気がした。  それはたぶん、もう少し幼かった時分には、失うものではないと盲信していられたもの。  ──ああ、自分自身というのは  時間と共に疲弊し、少しずつ  崩れ落ちていくものなのかも知れない。  彼女の笑い声を聞きながら、自分の胸にはやたらそれが虚しく響く。  これは、何だろう。  不愉快とまでは行かない。  だが、知らないうちに胸に風穴が空いていたような。  そんな気分だった。 .
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