自由市場

7/10
前へ
/10ページ
次へ
昼休み。 近くの定食屋でご飯を食べていると一通のメールが携帯に届いた。 確認すると驚いた。 『貴方様の商品が購入されました。下記に通帳番号を御願いします。(フリーマーケット)』 「まさか、新手の詐欺かよ」 俺はそう思いながら、昼飯を口に放り込む。 すると、またもや携帯が鳴り響く。 今度は電話だった。 急いで飲み込み、着信相手を確認する。 『テルミ』 「今度はなんだよ。もう無理だから」 そう言って、俺は着信を拒否した。 就業時間になり、帰り支度をしていると『バンっ!!』後方のデスク方から大きな音がした。 振り返ると、真っ青な顔をした会田先輩がいた。 俺は、慌てて駆け寄る。 「あ、会田、先輩?」 立ち上がり、両手をデスクに置いたまま震えていた。「・・・・・・来るな、シンヤ、お前、消えろ。」 唸るように低く吐き出された言葉に俺は、恐怖を覚え、早々に会社から立ち去った。 そのまま家に帰り、何気無くテレビをつける。 ニュースキャスターが何処からか生中継をしていた。 「えー、こちらが、ヤマシタテルミさんの自宅周辺です」 「・・・・テルミ?」 聞き覚えのある単語が引っ掛かり、テレビに駆け寄る。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加