序章~必然的運命論

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「はい、じゃあー席替え始めまーす」 教卓に立つ委員長の松岡君がみんなに向かって一言そういった 受験生になってから初めての、定期的な席替え 始業式当初のまま、出席番号順に並んだ席から皆が壇上の松岡君の指示に耳を傾ける (……隣にりっちゃんとか、真季子がくればなぁ) 席なんてどうでもいいけれど、それが逆に問題になってしまうのが、英語の時間のペアワーク 6列ある席の隣同士で教科書の本文を読んだり、自作の英文を発表したりする 英語がすこぶる苦手な私は、それだけが席替えにおいて重要なことだった 「よつかど!よつかどの4人でじゃんけんしてー」 2年生のときから進路実現に人間関係が負担にならないよう引き継がれた、この特別進学クラス 引っ込み思案な私は1年の時は大学に行くなんて考えてなかったから、元々特進クラスのみんなとはまだ馴染めてない所も多い 他に2年になって普通クラスから特進クラスに合流したのも2人だけだった その上、出席番号順の席で私が列の1番前なのも、いつも、私が昼食を食べないのも悪い 1番前じゃ、会話するには後ろを向かないとならなかったし、昼はあまりお腹が空かないのだ
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