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「トリトンズさんだ。また嘘をついてるのかなあ?」
「ほっときなさい。目を合わせるんじゃあないよ」
俺の斜め後ろ。黄色い魚が珊瑚と珊瑚の隙間を縫うように泳ぐ。
大切なことだから言っとくか。
「俺は宇宙一、真っ正直な男だ」
しかし、奴等は取り合わねえ。素早く珊瑚に雲隠れだ。
全く俺をなんだと思っていやがるのか。
立派な殻は混沌に住まう神様みてえに巻いてある。右に三回巻きだ。断っとくがヤドカリじゃあない。
神を認知しない愚か者どもめ。
カルキノスには、邪神様と崇められていたということを知らんのだな。
奴等は本当に失礼だ。
何かもう一言を付け加えようとしたときに五ツ星の気配を察知する。
飯が俺に気付いて逃げようとしている。
ばかめ。
今日が貴様の最期だ。
俺の胃袋で一週間かけてじっくりと溶かしてやるから覚悟しな。
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