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「ボス、指示通り二人を連れてきました」
黒ずくめの一人がそう言うと、太った中国人が目を細めて頷く。
こいつがボスか。
「君達の噂は聞いてるよ。大活躍だそうじゃないか」
おいおい、いつの間に香港まで噂が広まったんだ?
「日本のヤクザに手を貸したそうだネ。我々にも協力して欲しいネ」
そうか。あのヤクザの組長か。
「協力って、何をすればいいんですか?」
「こっちに来たまえ」
ボスに付いて隣室に行くと、カジノに有るのと同じ様なルーレットが置かれていた。
「これから敵対組織と縄張りを賭けて勝負することになってるネ。赤か黒か。塚内君にそれを予想して貰う。予想が外れればOKね」
「も、もし当たっちゃったら、どうなるんです?」
「その場合、塚内君には1万ドルを支払うよ。君は九龍湾に沈んで貰うことになるがネ」
僕は震え上がった。
「塚内君、絶対外してくれよ!」
「う、うん。全力を尽くすよ」
なんとも頼りない。
神様、じゃなくて貧乏神様、どうか僕をお救け下さい!
僕が柄にもなく祈っていると、敵対組織のボスが現れた。
後ろにモデルの様な金髪美女を連れている。
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