Love too late:遅すぎた恋心

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 鼻にかかったような甘い声を出した桃瀬に驚き、すぐさま唇を離そうとしたら、身体に両腕をぎゅっと回されて、あっという間に部屋の景色が一転した。目に映るものは、寝室の天井と桃瀬の顔。  触れるだけだったキスが、そのままどんどん深いものへと変わっていく――吸い上げられながら舌を絡め取られ、俺を求めるコイツを拒むことなんで出来ない。  むしろ―― 「…っ、……ンンっ」  むしろ、もっと俺を求めてほしい――愛してほしい…… 「も、桃瀬っ……」  キスから解放されて喘ぐように、愛しい人を呼んでしまった。  そんな俺の声に答えず、首筋をなぞるように舌を這わせつつ、両手を使って服の上から身体を弄る。触れられたところが、どんどん熱を持ちはじめ、じわりと熱くて堪らなくなっていった。  何だ、これ――桃瀬を襲ったはずの自分が、何故か襲われていて。胸の中に甘い疼きが、こんこんと沸き上がっていき、どうしようもないほどの幸せを噛みしめてしまう。 「あぁっ、はぁ……」  俺の心と体が桃瀬を求めていく。  しかし、酔った勢いなのか寝呆けているのか分からない桃瀬に、このまま抱かれてしまっていいのだろうか? 気持ちよさと幸せを感じながら、桃瀬が目覚めたときのショックを考えはじめていたら―― 「やっ!?」  下半身に伸ばされた手に、思いっきり感じてしまい、ビクッと身体が跳ねてしまった。その衝撃で桃瀬が顔を上げて、ぼんやりしながら俺を見る。 「…………?」  カーテンをしていない月明かりが照らし出す、ふたりきりの部屋の中。自分の身体の下には、肌蹴たところにキスマークを転々と付けた俺がいる状態。ナニが行われていたか、すぐに分かるであろう。 「すっ、すおおうぅ!?」  素っ頓狂な声を上げビックリついでに勢いよく、ベッドから派手に転がり落ちた。 「なな何で、お前とこんな……」 「何でって酷い。自分から押し倒して襲っておいてー」 「そんな!? 友達に対してこんなこと、するわけがないだろ」
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