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歳の頃は20歳前後でしょうか。
白いレース地のタンクトップと鮮やかな花柄のショートパンツから、手足がすらりと伸び、足元はラインストーンの付いたヒールサンダル。
腰まで伸びた髪は金髪と言っていい程の明るい茶色で、ギャル風、というのでしょう、ラインやシャドー、つけまつげをしっかり使ったアイメイクに、ぽってりとした唇。
爪は尖らせ、やはりラインストーンを使ってネイルを施してあり、陸奥屋にも数店舗ある、若い女の子ファッションのショップ店員さんのようです。
見慣れているといえば見慣れているので、格別その外見に驚いたわけではありません。
ただ、いつも清々とした和装で過ごしていらっしゃる、上品な奥様、といった風情の立花さまと、その女の子の今時感があまりにもそぐわない気がして、そこの部分で私は、またポカンとしてしまったようです。
「梨々香、もう少しキチンとご挨拶なさい。ーお恥ずかしいわ、お辞儀も出来ないのよ、この子ったら」
「あ、いえ…可愛らしい娘さんですね」
「いいのよ、気を使わなくたって。こんな濃い化粧で、可愛らしいもないものだわ」
遠慮の無い立花さまの言い回しに慣れているのか、梨々香さんは顔色ひとつ変えません。
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