第1章

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おかしな約束をしてしまったと 自分でも思う。 契約だと言ったって 拘束力などないに等しい。 だけど 「……ん」 契約は守られていた。 「…………っ……ぁ」 先輩の息が乱れて、目尻に涙が溜まっている。 「知和、もっと……声出して」 そう言えば 頑なに口を結んで 耐えようとする。 先輩の弱い部分を攻めると 堪えきれなくなって 背中を反らせて 首に手を回して来る。 ぴたりと腹が触れ合う。 その感覚 肌が触れ合う感覚 先輩の声が耳に響く感覚 それが理性を奪っていく。 「……っ」 「理央……も……だめ」 声にならない言葉を吐いて 先輩の力が抜けていく。 そして一緒に果てた。
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