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花園に座り込んでボーッと空を眺めていると花園に誰かがやって来た。
誰か確認するために目線を移すと、そこには優雅な微笑みを携えたリオ様が立っていた。
え……?
「リオ様……?」
「何をそんなに驚いているんだ?言っただろ?これからここに来てもいいかって」
「そ、それは……社交辞令みたいなものじゃ……」
「そんな事ないよ。君に会いたいんだから」
そんな事を言われると心臓がバクバクして上手く答えられない。
俯くとリオ様がクスッと笑う。
「あ、そうだ。今日は俺だけじゃないんだ」
「え?」
「おいで。セナ達に会いたいって言ってるから」
リオ様から差し出された手を掴んでいいのか悩んでいると問答無用でリオ様に手を掴まれた。
そのまま花園を出るとモーリスの楽しそうな声。
そこにはさっきの男の子がいた。
「あの子……」
もうここに来ちゃいけないって言ったのに……。
「助けてくれたんだろ?ソラの事」
「え?ソラ……?」
「俺の弟だよ。花街で公務してた時にどっか行って大捜索してたら、城下町でソラがキラキラした目で抱きついてきてね。セナ達に助けてもらったって言ってたんだ」
「泣いていませんでしたか?」
「うん」
「良かった……」
ホッとして表情が緩む。
そんな私の顔をリオ様が撫でた。
「優しいね、君は」
ドキッとして何も答えられない。
ただ俯いているとモーリスとソラ様が走って来た。
「セナおねぇちゃん!モーリスと友達になったよ!」
「あ……そう、ですか……」
リオ様の弟って事はこの小さな男の子も王子様って事だ。
さっきは馴れ馴れしく話してたけど、それってダメな事。
私の言い方を不思議に思ったのかソラ様が首を傾げた。
「普通に話して大丈夫だよ?」
「でも…… 」
「セナおねぇちゃんは普通に話すの!」
怒って膨れるソラ様。
困った私はリオ様を見た。
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