出逢った2人

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「あー、待って待って。またセナはそうやって力で解決しようとする」 「なんで?ダメなの?」 「ダメじゃないけど、そういう事するから『悪魔街の奴らは人間を食べるんだ』とか言われるんだよ」 「言いたい奴は言えばいい。なんなら食べてやれば……」 「ダメダメダメ!!ていうか嫌だよ!!ホントに怖いな『鬼姫』は」 「その名前言わないで」 キッドを睨みつけるとモーリスをキッドに押し付けた。 「行ってくる」 「……。セナ」 「何?」 「今日の王家のパレード。それにきっといる」 それだけ聞くと私は走り出した。 『王家』 信用してない人間の集まり。 アリアがいる場所。 仕方無い。 アリアが傷つくかもしれないけど……。 悪魔街の門を一歩飛び出す。 その瞬間光が満ちた。 そして私を見て周りがザワついた。 いや…… 「いやー!!悪魔よ!!悪魔が飛び出してきた!!」 「なんで悪魔がここに!?」 「嫌だ!!死にたくない!!」 「パレードを中止しろ!!」 色々な言葉が飛び交う中で走り続ける。 大事な家族を助けるために。 パレードの音が近くなる。 走って私から逃げる人達の先。 そこに家族はいた。 たくさん痛めつけられた体。 王家の騎士に引きずられるようにしているその家族の手を、私は掴んだ。 「貴様!!王家のパレードを台無しにしおって!!」 「重罪だぞ!!捕まえろ!!」 「貴様とこの奴隷も処刑してやる!!」 私に飛びつこうとする騎士達。 「セナ!!」 「逃げて!!」 そう叫ぶと家族は目を見開いて走り出した。 私は木刀で騎士達の剣を受け止めた。 .
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