出逢った2人

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一人一人倒して行く。 相変わらず、手応えのない人達。 そう思っていると後ろから殺気が。 木刀で受け止めると、私に斬りかかっている男と目が合った。 黒髪に切れ長の目つき。 手足が長くて、他の兵士なんかとは比べものにならないくらいの力強さ。 こいつ、強い。 1回距離を置いてから男を睨みつける。 男は私を涼しく見ているだけだった。 「アンタの木刀、どうなってんの?」 「え?」 「剣で斬れないとか凄すぎ。てかアンタ剣の才能ある」 「は?」 意味がわからない。 才能あるとか言われても……。 「嬉しくない」 「なんで?」 「なんでも」 もう一度男に飛びかかる。 すると男に片手で木刀を掴まれた。 嘘!? 冷や汗が流れる。 何を考えてるか分からない涼しい目。 殺される……っ!! そう思った瞬間 「やめろ、クロード!!」 横から声がした。 木刀を奪われると私は地面に手をついて声がした方を見た。 綺麗な金色の髪の毛。 澄んだ青色の瞳。 とても……綺麗……。 思わず固まる。 胸元のポケットに王家の紋章がついている。 他の人達と違う服装。 「リオ」 「リオ……?」 聞いたことがある。 この国の王子様の名前だ。 王子様は私を見下ろして口を開いた。 「君の事知ってる。悪魔街の鬼姫だろ?」 「なんで……」 「ずっと気になってた。でも、まさかこんな女の子だったなんてな」 王子様は私の前に膝をつくと私の髪の毛に触れた。 「……っ!触らないで!!」 手を振り払う。 王子様は真っ直ぐ私を見てくるだけだった。 .
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