51人が本棚に入れています
本棚に追加
おかしい……っ
おかしい おかしい おかしい おかしい!!
何なの、このドキドキ!!
どうして王子様の顔が頭から離れないの……っ!!
キッドの家に飛び込むとその場に座り込んだ。
息が荒い私を不思議そうに見てくるキッドとモーリス。
「セナ?お顔赤いよ?どうしたの?」
モーリスが小さな手で私の顔に触れる。
私は少し目を泳がせてモーリスに笑顔を向けた。
「ま、セナもちゃんと帰って来たし。もうすぐアリアが来るから待ってよっか」
キッドがそう言うと私とモーリスは手を繋いで外に出た。
皆でアリアが来るのを待つ。
でも中々アリアは来なかった。
「どうしたんだろ、アリア」
キッドが首を傾げる。
おかしい。
いつもならもう来てもいい時間だ。
もしかして、あのパレードが関係してるのかな。
そう思っているとアリアの車がやって来た。
いつもの定位置に車を停めるとアリアが車から降りてきた。
いつもなら豪快に『ほーら、みんな!!可愛いアリアちゃんがやって来たぞ!!』とか言うのに、今日は何故か車から降りて直ぐに車に向かって頭を下げた。
「アリア?」
私がそう声をかけると、車から誰かが降りてきた。
その人物に目を見開く。
だってその人は、王子様だったから。
ザワつくみんな。
「どうしてここに王子様が!?」
キッドなんて腰を抜かしている。
モーリスは私にしがみついていた。
ゆっくり私達の前に歩いてくる王子様。
そして私の前に立つと口を開いた。
「この街のリーダーは誰だ?」
ハッとすると私は腰を抜かしているキッドを指さした。
.
最初のコメントを投稿しよう!