出逢った2人

8/14
47人が本棚に入れています
本棚に追加
/340ページ
リオ様の笑顔はどうしてこんなにも心臓に悪いんだろう。 私はリオ様から顔を逸らしてアリアに近付いた。 「ア、アリア!!ご飯!!」 赤くなりながらそう言うとアリアが吹き出した。 「大食いの女の子はモテないぞ、セナ」 「っ!?」 「そっかぁ。セナもようやく女の子になったんだなぁ」 「な、なんの話!?」 ニヤニヤしながらアリアがご飯をよそってくれる。 私はそれを受け取ってアリアを軽く睨んだ。 花園へ続く階段に腰掛けてご飯を食べ始める。 すると側にリオ様がやって来た。 「隣に座ってもいいかな?」 「リ、リオ様!?そんな!!汚いですよ!?」 「またか……。言っただろ?汚くないって」 リオ様はそう言うと問答無用で隣に座った。 それから私の顔をジッと見つめた。 な、なんだろう。 ドキドキするからやめてほしい。 「セナ」 「う!?は、はい!!」 「君をここから連れ出したら、ここの人達はどういう反応をするだろうか」 「え?」 何を言い出すんだろう。 首を傾げるとリオ様は優しく笑った。 その笑顔に胸が締めつけられる。 なんだ、これ。 これじゃまるで、リオ様を好きみたいじゃないか……。 そう思うと同時に、何故か納得したようにスッキリした気持ちになった。 え? う、嘘……。 私、もしかしてリオ様のこと……? 出会ったのは一瞬だし、目が合っただけ。 それなのに私……。 いま、目の前にいる人が好きなんだ。 赤くなる顔。 王子様に一目惚れなんて、許されないからね!! なんで好きになったの、私ー!! リオ様から顔を逸らして俯く。 ヤバイ。 理解した瞬間、もうリオ様の顔見れない……。 .
/340ページ

最初のコメントを投稿しよう!