27人が本棚に入れています
本棚に追加
「うーん。困りました」
アルシャインのEye 'Sに入れたのは良いものの、ただいま絶賛迷子です。
自国で迷うとか、笑えませんね。
どうしたものかと考え込んでいると、視界の隅に人影が映った。
白く長い髪を靡かせ歩くその姿は、不思議といつかの親友の姿とって見えて。
いや、まさか。そんな偶然あるわけない。
「あっあの、すみません。私、その……道に迷ってしまいまして……」
小走りで近づき、そう告げる。
あまり人と話さないものだから、聞こうかどうか暫く迷ってたのは秘密。
「迷った?それは困りましたね、何処に行きたいんです?
あ!もしかして私の家ですか!?よしきた案内します行きましょう直ぐに!!」
人懐っこい笑顔を見せながら振り返る彼女と目が合う。
「…………ぇ?」
「…………あれ?」
「「あぁああああぁあああああ!!!?」」
目が合って数秒の沈黙。
そしてほぼ同時に上がる驚嘆の声。
人の縁とは、かくも不思議なもので。
本当に親友に会えるなんて。
最初のコメントを投稿しよう!