意識

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「紗耶香ちゃん顔に出すぎ」 愛里の指摘にハッと我に返り、ぎこちない笑顔を作る紗耶香に愛里はとうとう吹き出した 弾かれたように笑う愛里を前に紗耶香は恥ずかしい気持ちでいっぱいになる 「す、すみません…今、私…どういう顔をすればいいのか…」 「あはははは!!!ごめん、ごめん!!ふふふ……あははは!!!」 いつものおしとやかな佇まいは何処へやら…お腹を抱えて笑う愛里の姿を見ていたら、自分の目の前にいる人は実は本人ではなくて、さっき病室を飛び出した妹の愛美なのではないだろうかと紗耶香は思い始めていた 「あー!もう!!お腹痛い!!私、こんなに笑ったの生まれて初めてかも」 「うー」 自分を恨めしげに見る後輩の顔を見て再び笑いが込み上げてきた愛里はお腹を抱えて笑い転げた
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