意識

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「さあ?じゃないわよ!!ずるいじゃない!!愛里ばっかり!!」 『紗耶香と仲良くなって!!』という言葉を愛美は飲み込んだのだが、そこは双子でなくても読み取れる 「だからマナちゃんの優しさは伝わりづらいんだって…双子の私だって分かりにくいんだから…素直に『心配だよ』って伝えたらいいんじゃない?」 「別に紗耶香の心配なんてしてないし!!私が心配してるのはりくだけなの!!」 「本当、素直じゃないんだから」 愛美には聞こえないぐらい小さな声で呟いた 「どーせ私は素直じゃありませんよーだ」 プイっと顔を背けた愛美を見て愛里は苦笑した 愛里は愛美が紗耶香の体調を気付かっていた事を知っている 同じ病院の精神科の医師に相談し、りくの主治医を交えて紗耶香の問診をしてもらっていた もちろん紗耶香には全く気付かれずに
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