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「あいりちゃん大丈夫?」
ベッドの上で虚ろな表情の愛里…それを覗き込む愛美は今にも泣き出しそうだ
「ま…な…ちゃ…ん?」
愛美を見て微かに微笑んだ愛里は、直ぐに苦しげな表情を浮かべた
「あいりちゃん……痛い?」
少しだけ首を横に振った愛里が今度はニッコリ笑った
痛くない訳がない……愛里の胸にはガーゼがあてられ、腕には点滴の針が刺さり、体中は何本ものコードに繋がれているのだ
大手術を終えた幼い愛里は家族が見守る中、意識を取り戻した
目の前にいる双子の妹はいつもの活発はどこへやら…借りてきた猫のようにおとなしく心配そうに愛里を見つめていた
愛美の手を握りたいと思うのに自由に動かない体を愛里は忌ま忌ましく思う
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