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唇を尖らせて注意するその仕種は母親そっくりだと父は笑った事があった
姿形は同じだけど愛美の性格は母親似なのだ
「先生がダメって言ってたよ!!聞いてないの!?」
「ああ、そうなんだ…ゴメンゴメン」
謝りながら冷蔵庫を閉める瀬能の横顔が少しだけ怖い感じがして…愛里は直ぐに目を逸らした
しかし瀬能はいつものようにニコニコしながら『何かして欲しい事があったら何でも遠慮なく言ってくれよ?』と二人を見る
『あれ?見間違い…だったのかな…?』
愛里はホッと胸を撫で下ろした
そして、こんな微妙な空気を壊すのはいつも愛美の役目だ
「あいりちゃんがお休みしてる間は私が先生ね!!」
愛美は自分のバックからノートを取り出すと、愛里に向けてページを開いた
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