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愛里はふと視界の片隅が気にかかり、愛美の顔を見るフリをして目線をずらしてみた
その視線の先には瀬能がいた
愛里は急いで目線を戻す
一度見てしまったから、その後は目線を合わせなくても分かる……瀬能はもの凄い形相でこちらを睨んでいるのだ
背筋が凍りつき嫌な汗が体中から吹き出す
愛里の異変にいち早く気付いたのは、もちろん愛美だった
「あいりちゃん、どうかした?疲れちゃった?」
「う、うん…ちょっと…疲れちゃったかも……」
「じゃあ、お勉強はここまでにしよ?あいりちゃん、眠くなったら寝ていいってママ言ってたよ?」
「ううん、大丈夫…」
眠ってしまったら瀬能が自分や妹に何かするかもしれないと思うと、眠気も痛みもどこかに行ってしまう……それぐらい愛里の心は一瞬で恐怖に支配された
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